尴尬 真実と嘘 真実なら話していいか [中国語学習]
ふとこんな話が目にとまり訳してみた。
本当の話で難局[真话的尴尬处境]
出典 梁暁声「中国人的人性与人生」現代出版社 2017/1 P51
年を経るに従い話すことを習得し、さらに徐々に嘘をつくことをマスターする。嘘をつくのは、本当の話をすると往々にして自分自身ばつが悪くなったり、話し相手にばつの悪い思いをさせるからである。甚だしきは相手を怒らせ、抜き差しならなくなり、災難だ。
言い伝えによると、清朝光緒年間にある巡視役人 [撫台]が粗末な私服で街に出た。そこで一人の揚げパン売りの少年に逢い、聞いてみた「ここの巡視役人はいいやつか?」少年は言った「つまらないやつさ。」撫台はそれを聞くととても怒ったが、ぐっとこらえ、言葉も顔色も変えなかった。役所に戻ると、少年を連れてくるように命じ、数十回叩きの刑に処した。
その後少年が大きくなると、世俗的に言えばとても前途有望な青年になった(とても見込みある人物になった。心深く刻み込まれた本当のことを言ったあの時の教訓にとても感謝していた)。[后来这孩子长大了,按俗常的眼光还颇有出息(他能颇有出息,实在得感激说真话的那一次深刻的教训)]
あるとき大臣が彼に話した、
大臣「この文章どう思う?」
彼「いいと思います。」
大臣は頭を振った。
「ある面からいいと言いました。」
大臣は頭を振った。
「私は申し上げたのはある面から、それは焦点を…。」
大臣は頭を振った。
「正確に言えばこの文章は少しロジックが混乱しています。」
大臣は頭を振った。
「要するにこの文章は表面的にはよいが、本質的にまずい。はっきり言えばとてもまずい文章です!」彼は威厳ある口調で最終結論を言った。大臣は実は服がしっくりこなかったので頭を振っていたのだった。しかし大臣の彼に対する意見にとても満足していた。
大臣は国王の前でたくさんのいい話をしました。ある日国王は彼を召して言った「この詩をちょっと読んで、言ってくれ、お前は今までにこのような筋の通らない詩を読んだことあるか?」
彼は詩を読むと言った「陛下、何についてもあなた様の慧眼には恐れ入ります、この詩は私が今まで見た詩の中で最も劣悪でばかばかしいものです。」
国王は問うた「この詩の作者は自分自身非凡だと自負している、そうだろう」
彼は言った「ご尊敬申し上げる陛下様、それに勝る評語はございません!」
国王は言った「この詩は私が書いたのだ。」
「そうですか?」
彼は心の中にとてつもない不安がかすめた。ただちに不安を抑えて、両手で体中を撫でまわすふりをして敬虔に言った「ご尊敬申し上げる陛下様、ご存じないと思いますが私は高度の近眼で、さっきあなた様の詩を見たときには眼鏡をかけていませんでした。眼鏡をかけてもう一度読ませていただけませんか?」
国王はぎこちなく肯いた……
彼は眼鏡をかけもう一度読むと崇拝するような口ぶりで言った「おう、ご尊敬申し上げる陛下、このような詩天才が書いたのでなければ、天才はどんな詩を書くのでしょう?」
国王は笑って彼を見て言った「以後、正確な結論を出す前には絶対に眼鏡をかけ忘れるでないぞ」
私はこの3個の話を短く編纂したのは、風刺のためではなく、嘘を話す技巧がいったん経験されると、本当の話の存在意義は無くなると言うことを指摘するためだ。本当の話は命ある物と同じように適切な生存環境がいる。この生存環境なくして、本当の話を話すのは愚の骨頂であり、嘘は聡明でかわいいものだ。社会の良識と文明が本当の話を話すようどれだけアピールし、要求し、鼓舞しようとも、本当の話は土の奥深くにうぬもれた発芽しない種と同じようにおし黙っていて、嘘の話は大手を振って歩きまわるものだ。
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