中国の年金制度のメモ [中国社会事情]
中国の年金制度のお勉強。
中国は格差社会、年金も!
優遇されている年金:公務員
年金名称 | 都市企業従業員年金 | 公務員年金 |
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対象者 | 都市部の企業勤務者 | 政府、国営企業、関連団体勤務者 |
負担者 | 企業が賃金の20% 個人が賃金の8% | 政府 個人負担なし |
支給方式 | 基礎年金と個人口座の積立金 | 政府支給 |
支給水準 | 退職前賃金の40%~50% | 退職前賃金の80%~90% |
平均(/月) | 1900元(2013) | 4000元以上の人が90%以上(2013) |
年度調整 | 2016年は6.5%Up | 2016年は6.5%Up |
備考 | 3.2億人 賃金の28%の負担に耐えられず、 農民工は0.5憶人(20%弱)しか 加入してない。 | 0.7億人(退職者0.1億人) (正確な統計はない) |
この政府国営企業の退職者が、爆買いや海外旅行の主役になっているそうだ。夫婦で1万元以上の年金あれば、住居費のいらない退職者は、若くして退職者になっていることもあり、活躍できる。
一般的な退職年齢は男性60歳、女性50歳。年期受給開始年齢は男60歳、女55歳。若くして年金生活に入れる。
雑感:それにしても、中国は官僚と国営企業従業員を養う国。このデータから改めてそう感じる。 日本も似た状況ではあるが。
冷遇されている年金:農民と非就業者
年金名称 | 新農民居民年金 | 新都市居民年金(非就業者) |
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対象者 | 農民 | 都市居住の非就業者 |
負担者 | 基礎は国 個人積立 | 同左 |
支給方式 | 基礎年金と個人口座の積立金 | 同左 |
支給水準 | 78元(2012) | 都市によって異なる 430元(北京2014)+個人分 680元(上海2015)+個人分 |
備考 | 4.5億人 | 0.5億人 |
農民はもともと自分の土地で収穫、収入あるから年金はいらないと言う発想なのだろうか?
都市住民は、専業主婦や失業者に対しては最低保証がある。もちろん都市戸籍なければだめだが。
今の高齢層は大部分が政府、国営企業で働いていたから、年金はとてもいいのだろうが、これからはそうはいかない。中国では公務員や国営企業に殺到するが(最近の修飾応募倍率は1万倍とも。科挙の国だから!)甘くはない。日本のように見かけ上、年金、健康保険などが整った国が狙われているのもうなずける。
問題点
1.年金破たん。労働人口が減り、2050年には2人が一人を支えることになる。ひとりっこ政策を廃止したがとても間に合わない。
2.年金財政破たんのおそれ。気前よく年金増やしている。
都市企業従業員年金平均受給額の推移(単位:元/月)
Memo:中国人的資源社会保障部(日本の厚労省相当)では《企业年金规定(征求意见稿)》などで、模索中。