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乱世の晩唐 [漢詩]

再经胡城县 杜荀鹤

去岁曾经此县城,县民无口不冤声。
今来县宰加朱绂,便是生灵血染成。

杜荀鹤(约846~906),唐代诗人。字彦之,号九华山人。池州石埭(今安徽石台)人、杜牧の妾の子。
朱全忠の下で翰林学士、主客员外郎。

昨年その町に行った時、不当な扱いに対する不平不満を口にしない民はいなかった。
今年いってみると県令は昇格し赤い服になったが、それは人民の血で染め上げたものだ。

   赤い服:当時の官位四品は薄いピンク、五品は濃いピンクの制服
官服.jpg

この時代は唐滅亡(907)、黄巣(875-884)、朱全忠(852-912)の悲惨な時代。
地方の役人の横暴は毛沢東大躍進時の飢死と同じか、もっとひどかったのだろう。中国の伝統。
  
  流民:税払えないので逃亡。残った民に負担させる、さらに逃亡。残る民は飢死。
  大躍進:役人が稲を密植させたら10倍も取れたと報告し相応の税金を上納、役人はそれを手柄に昇格。
  人民公社から出たら食料が手に入らないから逃げられず、その地区の農民は食べるものなく飢死。
  日本人は血税を想像するが、中国では本物の血だろう。なぜ幾たびとなく繰り返すのか?

黄巣の軍は長安沒落後、糧食に乏しく、毎日沿道の百姓數千人を捕へ、生ながら之を臼に納れ、杵碎して食に充てた。この時討手に向つた官軍は、賊軍を討伐するよりも、彼等の糧乏しきに乘じ、無辜の良民を捕へ、之を賊軍に賣り付けて金儲をしたといふ。(桑原隲藏 支那人の食人肉風習)
当時長安では人肉は銭500。超えているか痩せているかで値段に差があった。その後あるところでは人肉一斤銭100、犬一斤銭500で犬のほうは美味しいらしい(寺尾善雄 乱世と庶民) 

路上や川岸に死体が転がっている。
聊斎志異などには、この状況の物語があるのだろうか?

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